乙類焼酎は別名「本格焼酎」とも呼ばれる

ユウビト

2009年12月21日 15:24

乙類焼酎は、穀物やいも類、そばなどを原料として単式蒸留機で蒸留して作られたアルコール度数が45%以下の焼酎です。
単式という名のとおり、一度だけの蒸留で作られています。
それぞれの原料によって、違った風味やコクを持った個性豊かな焼酎に仕上がります。
室町時代に日本に伝来してきたと言われており、明治時代に連続蒸留による甲類焼酎が誕生するまで焼酎と言えば乙類焼酎のみでした。
そのため、乙類焼酎は「旧式焼酎」とも呼ばれています。
甲類、乙類というのは、単なる税法上での区分した呼び方ですが、「乙」という意味が「甲」に対して低いもののようなイメージを与えるため、乙類焼酎は別名「本格焼酎」とも呼ばれるようになりました。

乙類焼酎は、まず麹と水と酵母から第一もろみを作ります。
この第一もろみに穀物やいも類、そばなどを加えてアルコール発酵させたものが第二もろみです。
第二もろみを単式蒸留機で蒸留してできあがります。
第二もろみに使われる原料によって、米焼酎、いも焼酎、そば焼酎などに分類されます。
焼酎の作られる地方により、その地ならではのさまざまな農産物が原料に使われています。

単式蒸留機で作られた焼酎は、常圧蒸留と減圧蒸留に分けられます。
常圧蒸留とは、昔からの伝統的な蒸留方法です。
常圧(通常の大気圧)で蒸留します。
アルコールを含んだもろみは約90℃で沸騰するため、沸点の高い成分が一緒に抽出され原料の持つ独特の風味やコクを楽しむ事ができます。
熟成効果が高いので、泡盛などの風味を生かした焼酎の蒸留方法として使われています。

減圧蒸留とは、1970年代に導入された新しい蒸留方法です。
蒸留機内の圧力を下げて約40℃?50℃の低い温度で蒸留します。
低温で沸騰させるので、沸点の高い成分は抽出されずやわらかな味わいになります。
クセがなくて飲みやすいので、主に米焼酎や麦焼酎などの蒸留方法として使われています。

最近は、原料の風味やコクのある乙類焼酎の人気が高まっています。
ストレート、オンザロック、水割り、お湯割りなどで飲まれています。

関連記事